男性の方に多い
排尿のお悩み

よくあるお悩み

よくあるお悩み
  • 残尿感がある
  • トイレが我慢できない
  • 排尿後に尿が垂れる
  • 力まないと尿が出ない等
  • 尿の勢いが弱い
  • 夜中に何度もトイレに行く

関連する疾患

  • 前立腺肥大症

    尿の勢いが弱い・頻尿・尿が垂れる

    そもそも前立腺とは

    前立腺は男性特有の臓器です。前立腺は尿道を取り囲むように膀胱の出口
    付近に存在し、前立腺液といわれる精液の約3分の1を作り、精子に栄養を与えたり、精子を保護したりしています。

    前立腺肥大症とは

    前立腺肥大症とは前立腺が大きくなる病気です。正常な前立腺はクルミほどの大きさですが、肥大した前立腺はミカンほどの大きさになることもあります。前立腺が肥大すると尿道が圧迫されて、排尿に関わる様々なトラブルが生じます。

    前立腺肥大症の頻度は年齢とともに増加し、特に50歳代から増加します。50歳代の男性では20~30%、80歳以上になると80~90%が前立腺肥大症になると言われています。前立腺肥大症は生涯にわたり進行する疾患であるため、たとえ症状が軽くても放置しないようにしてください。

    前立腺肥大症とは
    • 1.原因

      前立腺肥大症の原因は、現在の医学では明らかにされていません。ただし男性ホルモンが関与していることは間違いないと言われています。中高年になると男性ホルモンなどの性ホルモン環境が変化し、これが前立腺肥大症に影響すると考えられています。

    • 2.症状

      前立腺肥大症は様々な排尿症状を引き起こします。大まかには、排尿困難、蓄尿症状、排尿後症状の3つに分類されます。

      • 1排尿困難

        排尿困難とは、尿が出にくい症状の総称です。下記の症状がよくみられます。

        • 尿の勢いが弱くなった
        • 尿を出したくでもなかなか出ない
        • 尿が分かれて出る
        • 尿が途切れ途切れ出る
        • 力まないと尿が出ない
      • 2蓄尿症状

        前立腺肥大症では、下記のような畜尿に関する症状もよく見られます。

        • 尿の回数が多くなる(頻尿)
        • 急に我慢できない強い尿意が起こる(尿意切迫感)

        前立腺肥大症の患者さんの50~70%が頻尿症状を合併すると言われています。具体的には、畜尿が不十分な状態で、すぐに排尿したくなってトイレに行くようになってしまいます。

      • 3排尿後症状

        前立腺肥大症では排尿後すっきりしない残尿感を訴えることがあります。また、排尿が終わって、下着をつけた後に尿が漏れることもあります。これを排尿後尿滴下と言います。

      上記のように、前立腺肥大症の症状は多岐にわたります。
      前立腺肥大症を放置すると、排尿筋とよばれる膀胱の筋肉が疲弊してしまい、いつの間にか重症の頻尿や排尿困難をきたすことがありますので、症状が軽くても放置しないことが大切です。

    • 3.検査と診断

      前立腺肥大症の検査として、当院では、直腸内指診、尿検査、残尿測定、血清PSA(前立腺特異抗原)測定、前立腺エコー検査などを行います。また、排尿日誌、血清クレアチニン値の測定、上部尿路エコー検査などを行うこともあります。前立腺肥大症は良性疾患ですが、悪性疾患である前立腺がんが併存していることもありますので、注意が必要です。

    • 4.治療

      前立腺肥大症の治療は大きく保存治療、薬物治療、手術治療の3つがあります。当院では、一時的に症状を抑えることで満足せず、例えば前立腺を縮小させる薬を使うなど、長い目で見てベストな治療となるよう心掛けています。薬物治療では症状が改善せず、尿閉や肉眼的血尿、腎機能障害、尿路感染など前立腺肥大症による合併症がある場合は、関連病院での手術治療をお勧めしています。

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  • 夜間頻尿

    夜間にトイレに何度も起きる

    夜間頻尿とは

    夜間頻尿とは、排尿のために夜間1回以上起きなければならない状態です。夜間頻尿は、重大な病気の兆候である可能性がありますので、放置しないことが大切です。

    夜間頻尿とは
    • 1.原因
      • 1多尿・夜間多尿

        1日の尿量が体重当たり40mlを超えると多尿と診断します。また、1日中多尿でなくても、夜間の尿量が多くなったことで、一日の尿量の33%(若年者では20%)を越えれば夜間多尿と診断します。
        多尿の主な原因は糖尿病や尿崩症、水分摂取過多などです。一方で、夜間多尿の主な原因は加齢や水分摂取過多、薬剤性などがあります。

      • 2膀胱畜尿障害

        膀胱にためられる尿の量が減ると夜間頻尿になることがあります。前立腺肥大症や過活動膀胱、間質性膀胱炎などがその原因となります。

      • 3睡眠障害

        睡眠障害によって夜間頻尿になることがあります。具体的には不眠症やうつ病、睡眠時無呼吸症候群(SAS)などが原因となります。

    • 2.検査と診断

      夜間頻尿の自覚症状に加えて、原因に関する詳細な問診を行います。飲水や排尿の回数、尿量などを正確に把握するため、排尿日誌を付けることも原因の鑑別に有用となります。また当院では、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査として、睡眠中に体内酸素濃度を測定する装置の貸し出しを行っております。

    • 3.治療

      夜間頻尿の原因が判明すれば、それに応じた治療を行います。例えば、頻尿(過活動膀胱)が原因であれば内服治療が有効ですし、不眠症が原因であれば適切な睡眠薬を投与することで夜間頻尿が改善することが期待できます。また当院では、睡眠時無呼吸症候群(SAS)が原因であれば経鼻的持続陽圧呼吸療法(CPAP)の導入を行っております。

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  • 過活動膀胱

    トイレが我慢できない・トイレが近い・夜間頻尿

    過活動膀胱とは

    過活動膀胱は尿意切迫感(急に我慢できない強い尿意が起こる)が特徴的な疾患で、通常は頻尿(尿の回数が多い)や夜間頻尿(寝た後に何度もトイレのために起きる)を伴います。さらに、切迫性尿失禁(急に強い尿意が起こりトイレに間に合わず尿が漏れ出る)を伴う場合もあります。

    日本では40歳以上の男女の約14%、7人に1人の方が過活動膀胱に悩まされています。医療の進歩により、近年では、治療によって過活動膀胱の症状が軽くなる方が増えてきました。また、膀胱がんなど他の疾患が見つかることもありますので、尿意切迫感や頻尿を自覚された場合は受診をお勧めいたします。

    過活動膀胱とは
    • 1.原因

      過活動膀胱の原因は様々で、脳血管障害やパーキンソン病、認知症などの脳の疾患や、脊髄損傷や多発性硬化症などの脊髄疾患が原因となります。また、前立腺肥大症に合併したり、加齢によって生じたりすることもあります。

    • 2.検査と診断

      過活動膀胱では自覚症状の評価が最も重要です。尿意切迫感の症状があれば過活動膀胱と診断されることが多いですが、頻尿や切迫性尿失禁があればその可能性は上がります。この自覚症状に加えて、過活動膀胱の診断や重症度を評価するために「過活動膀胱症状質問票」を用いることがあります。
      また、尿意切迫感を示す他の疾患を除外するため、尿検査、尿細胞診、エコー検査なども実施いたします。

    • 3.治療

      過活動膀胱に対しては、行動療法や薬物療法が行われます。

      行動療法では、日常生活において過活動膀胱の原因となりうる習慣を改善し、また、膀胱訓練や骨盤底筋体操で症状緩和を図ります。薬物療法では、膀胱の過敏さを抑える内服薬にて尿意切迫感の改善を図ります。内服薬は何種類かお試しいただき、体質に合ったものを探すのですが、当院では基本的に副作用が少ないものから処方するようにしています。
      また、薬物療法でどうしても改善が得られない難治性の過活動膀胱に対して、当院ではボツリヌス毒素の膀胱壁注入治療をお勧めする場合がございます。

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  • 間質性膀胱炎

    トイレが我慢できない・トイレが近い・残尿感

    間質性膀胱炎とは

    間質性膀胱炎とは、尿を貯める袋の膀胱に原因不明の炎症が起こり、トイレが近くなる、我慢できないほど尿意が強くなるなどの症状が出る病気です。中高年の女性に多いとされていますが、男性やお子さんでも見かけます。

    間質性膀胱炎とは
    • 1.症状

      間質性膀胱炎では下記のような症状がみられます。

      • トイレが近くなる
      • 我慢できないほど尿意が強くなる
      • 尿がたまってくると膀胱に違和感がある
      • 尿が残っている感じがする
      • 膀胱のある腹部に強い痛みを感じる

      特に、膀胱の不快感や痛みは膀胱に尿がたまった時や冷えた時、カフェインなど刺激物やストレスでも悪化します。

    • 2.検査と診断

      間質性膀胱炎の診断のためには、膀胱鏡検査を行います。膀胱鏡検査は尿道から内視鏡を入れ、膀胱の中を観察できる検査です。この膀胱鏡検査において、正常の毛細血管がない特徴的な粘膜所見(ハンナ病変)、または膀胱水圧拡張後に見られる点状出血などがあれば間質性膀胱炎を疑います。
      さらに、間質性膀胱炎の自覚症状があり、他の疾患を除外することができれば、間質性膀胱炎と診断することができます。

    • 3.治療

      間質性膀胱炎自体を治す治療はないため、自覚症状を軽くするために対症療法を行います。具体的には、ストレスや生活習慣の改善のほか、膀胱内に薬剤を注入する治療があります。また、内視鏡手術にて電気メスでハンナ病変を焼くと、症状が軽くなる場合もあります。これらの治療でも改善がない場合は、手術によって膀胱を取り除くこともあります

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